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令和4年度

R4懐徳堂古典講座

令和4年度 懐徳堂古典講座―全4コース―(全講座Zoomによるオンライン開催)

◆Aコース  続『平家物語』の名場面を能で読むー源平の武将と女たちー

時間10:30~12:00(原則第1日曜日)
講師:中尾薫先生(大阪大学大学院人文学研究科准教授)

『平家物語』に取材した能(謡曲)の作品を、物語の展開に添って読んでいく講座の第2弾です。昨年は、主に平家の栄華のもとに翻弄された人々を描いた作品を読んでいきました。今回は、能《実盛》《巴》《兼平》《経政》《忠度》《敦盛》《清経》《通盛》といった、平家打倒のために立ち上がった源氏の武将や、世の無常を感じながら戦死していった平家の武将たちの思いを描いた作品を扱います。基本的には1回で読み切りますので、初めての方でもお楽しみいただけると思います。美しい古文によって紡がれる能の世界をじっくり味わいながら読んでいきます。

◆Bコース 漢文入門

時間13:30~15:00(原則第2土曜日)
講師:清水洋子先生(福山大学准教授)、竹田健二先生(島根大学教授)、
藤居岳人先生(阿南工業高等専門学校教授)、浅見洋二先生(大阪大学大学院人文学研究科教授)によるリレー形式。

中国の代表的な古典の中から、思想、歴史、文学に関わる名著を選んで、そのエッセンスを読みます。4月・5月は、乱世の中で生まれた『孫子』と『戦国策』。混迷する社会の中での智慧を学びます。6月・7月は、儒家の『孟子』と『荀子』を中心にして、人間の本性の問題を探ります。9月・10月は、『老子』『荘子』『列子』などに目を転じ、そこに描かれた孔子像というユニークな観点から道家系文献を読みます。11月・12月は、蘇軾と陸游を中心にして唐宋の詩を読みます。「漢文入門」講座で、漢文の読み方を初歩から手ほどきします。お気軽に参加してください。
《前期4月~7月》
4月・5月:「乱世に学ぶ智慧─『孫子』と『戦国策』─」清水洋子先生
6月・7月:「人間の本性とは─『孟子』と『荀子』─」竹田健二先生

《後期9月~12月》
9月・10月:「道家から見た孔子─『老子』『荘子』『列子』─」藤居岳人先生
11月・12月:「唐宋の詩―蘇軾・陸游を基点として―」浅見洋二先生

◆Cコース 『日本書紀』継体紀を読む

時間18:00~19:30(原則第3金曜日)
講師:若井敏明先生(関西大学等非常勤講師)、上田直弥先生(大阪大学埋蔵文化財調査室助教)、
市大樹先生(大阪大学大学院人文学研究科教授)、高橋照彦先生(大阪大学大学院人文学研究科教授)によるリレー形式。

『日本書紀』を文献史学・考古学それぞれの立場から読み解く講座です。前回の仁徳紀に続き、今回は継体紀を読んでいきます。継体天皇は、応神天皇の5世孫であり、越前あるいは近江に基盤があったと伝承されています。なぜ、このような人物が即位できたのか、4・5月はこの問題に迫ってみたいと思います。6・7月は朝鮮半島の動向に着目しながら、東アジアのなかの継体朝の位置づけを考えてみます。9・10月は九州の動向に着目しながら、日本史上の継体朝の意味を考えてみます。11・12月は継体朝の終焉とその後の展望について迫ってみます。これらの問題を文献史学・考古学双方の視点から検討することによって、日本古代国家成立の謎に挑んでみようと思います。
《前期4月~7月》
4月:「継体天皇の即位事情」若井敏明先生
5月:「今城塚古墳出現までの道のり」上田直弥先生
6月:「継体朝の外交政策を探る」市大樹先生
7月:「武寧王陵と朝鮮半島の前方後円墳」高橋照彦先生

《後期9月~12月》
9月:「磐井の乱とその影響」市大樹先生
10月:「畿内と九州の古墳文化」上田直弥先生
11月:「継体陵・今城塚古墳とその関連古墳」高橋照彦先生
12月:「継体天皇の死とその後」若井敏明先生

◆Dコース 『愚管抄』を読む ―武家政権の歴史:保元の乱から承久の乱まで―

時間13:30~15:00(原則第4月曜日 ※12月のみ第3月曜日)
講師:川合康(大阪大学大学院人文学研究科教授)

本講座は、摂関家出身の天台僧慈円が書いた歴史書『愚管抄』を読みながら、慈円が生きた平安末期から鎌倉前期にかけての武家政権の歴史を、他の一次史料を参照しつつ検討しようとするものです。慈円は同時代人として保元の乱から承久の乱までの戦乱の時代を生きており、『愚管抄』は時として史実をそのまま書いているかのように理解されますが、この歴史書は承久の乱前後に過去を振り返って執筆したもので、ところどころに虚構を交えています。そして、慈円の語る「歴史」は、『平家物語』の形成にも大きな影響を与えました。本講座は、『愚管抄』を読みながら、武家政権が貴族社会にどのように認識され、「歴史」として語られたのかを考えます。
※開講日・講師等は、都合により休講・変更となる場合があります。

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