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扶桑

懐徳堂では書籍だけでなく、文化的に貴重な品が収集・保存されていました。
ここではその一部をエピソードを交えながらご紹介しています。

扶桑(ふそう)

縦14.9×横14.5cm 大阪大学懐徳堂文庫蔵

その昔、本邦の西国に「扶桑木(ふそうぼく)」と称する大木があり、外国の船がはるかにこの扶桑を認めて、日本の目当てとしたことから日本を「扶桑国」と言った、という俗説があります。また、中国のある字説に、太陽が木の下にあるのを「杳(ヨウ、くらい)」、木中に昇るのを「東」、木の上にあるのを「杲(コウ、あかるい)」とし、そこで言われる木は中国の東方の島(日本)にある「扶桑」であるとしています。
 中井竹山は、これらを俗説とはしながらも、上古の日本に巨木があったことは事実であるとして、巨木伝説を紹介して考証した『扶桑木説(ふそうぼくせつ)』を書いたのです。
 なお、この画像は、竹山の弟・履軒の『左九羅帖』(VOL.3参照)に描かれた「扶桑木」です。巨大な木の根元に米粒ほどの人々が描かれています。
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