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令和5年度

R5懐徳堂古典講座

令和5年度 懐徳堂古典講座―全5コース―

◆Aコース・Cコース・Eコース:Zoomによるオンライン開催 / Bコース・Dコース:対面開催



◎Aコース・Cコース・Eコース:Zoomによるオンライン開催 
※講座内容は録画し、後日、記念会のクラウド上にて期間限定で公開します。
※パソコン・スマートフォン・タブレットのいずれかと、インターネット環境が必要です。
※Zoomの講座視聴以外の使い方、開講当日の機材トラブル等の問合せについて、記念会事務局では対応しておりません。

◎Bコース・Dコース:対面開催
※会場:大阪市立総合生涯学習センター第1研修室(大阪駅前第2ビル5階)。
※各コース定員60名。定員に達し次第、受付を締め切らせていただきます。
※対面講座のオンライン配信・録画・後日のアーカイブ配信はございません。


◆Aコース  懐徳堂創立300年記念特別講座「懐徳堂の古典を読む」 ー『論語逢原』を読むー

時間 17:00~18:30(原則第1火曜日)
講師 佐野大介先生(名古屋大学准教授)

 江戸時代の大坂を代表する漢学者、中井履軒の代表作である『論語逢原』を読んでいきます。江戸時代、幕府は朱子学を「正学」として、国家を経営する正統な理念と認定しました。『論語逢原』は、朱子による『論語』の注釈である『論語集註』にさらに注釈を加えたものです。中国古典の注釈は、このように重層的な構造を成しており、例えば履軒の『論語』解釈に従って『論語』を理解しようとすると、まず『論語集註』を理解せねばならず、その『論語集註』を理解するには『論語逢原』の理解が必要となります。朱子と履軒との解釈の違いなどにも注目しながら、こうした伝統的な経書読解のやり方に則って『論語』を読んでみましょう。

◆Bコース  中国の思想と詩を読む

時間 13:30~15:00(原則第2土曜日)
講師 草野友子先生(大阪公立大学研究員)、浅見洋二先生(大阪大学教授)によるリレー講座。

《前期4月~7月》 「『墨子』を読む」 草野先生
 諸子百家の時代、儒家と勢力を二分したといわれる墨家は、思想の継承が途絶え、『墨子』という書が残るものの、難解とされてきました。しかし、多くの学者が『墨子』を解釈し、また新たな資料が発見されたことで、現在『墨子』の思想は再び注目を集めています。本講座では、『墨子』の中心思想である「兼愛」「非攻」や、徹底した節約思考、運命の捉え方など、様々な視点から『墨子』を読み解きます。

《後期9月~12月》 「中国宋代の詩を読む」 浅見先生
 中国の詩といえば、李白や杜甫など唐代の詩がよく知られていますが、そのあとの宋代にも、唐詩に勝るとも劣らぬ優れた作品が数多く生み出されました。本講座では、宋代を代表するふたりの詩人、蘇軾と陸游の作を中心に読みすすめながら、宋詩の魅力を探ってゆきたいと思います。

◆Cコース  『日本書紀』欽明紀を読む

時間 18:00~19:30(原則第3金曜日)
講師 市大樹先生(大阪大学教授)、上田直弥先生(大阪大学埋蔵文化財調査室助教)、高橋照彦先生(大阪大学教授)、若井敏明先生(関西大学等非常勤講師) によるリレー講座。

 継体天皇の子供である欽明天皇は、腹違いの2人の兄(安閑天皇、宣化天皇)の後を嗣ぎ、4人の子供(敏達天皇、用明天皇、崇峻天皇、推古天皇)が相次いで即位しました。飛鳥時代前半の主人公ともいうべき蘇我氏が台頭してくるのが欽明朝で、国政を主導するとともに、吉備地方に置かれた白猪屯倉の経営にも尽力しました。欽明紀には、こうした国内的な記事とともに、百済からの仏教伝来や、「任那」の復興運動と滅亡など、国際色豊かな記事が多くみられます。それは、百済の歴史を記した『百済本紀』を多く活用したことも大きく関係します。
 4月講座では欽明紀の特徴を明らかにし、5月講座では近畿地方の後期古墳を手がかりに、物部氏・蘇我氏などの氏族の動向に迫ってみます。6・7月講座では仏教伝来の背景と展開について、文献・考古学の双方の立場から考えてみます。9・10月講座では白猪屯倉を取り上げ、それが設置された吉備の社会状況や、屯倉経営の実務を担った渡来人、彼らがもたらした文字文化に迫ってみます。11月講座では議論の多い「任那日本府」とは何かを考え、12月講座では諸説入り乱れている五条野(見瀬)丸山古墳の被葬者は誰かについて論じます。以上を通じて、日本古代国家成立の謎に挑んでみようと思います。

4月 市先生「『日本書紀』欽明紀の特徴」9月 上田先生「白猪屯倉と吉備の考古学」
5月 上田先生「物部氏・蘇我氏と機内の有力後期古墳」 10月 市先生「屯倉経営を支えた渡来人と日本古代の文字文化」
6月 若井先生「仏教公伝 百済と倭の思惑」11月 若井先生「「任那日本府」とは何か」
7月 高橋先生「仏教伝来と百済の仏教寺院」12月 高橋先生「欽明陵と五条野(見瀬)丸山古墳」

◆Dコース  能を旅する―名所・旧跡を詠んだ名歌・名句を味わう―

時間 10:00~11:30(原則第3日曜日)
講師 中尾薫先生(大阪大学准教授)

 能(謡曲)は各地の名所、旧跡を舞台とし、その土地について詠んだ名歌・名句を意図的に用いて作詞されています。美しい自然の景物から想起された情感を詠んだ和歌から生み出された歌枕という共有されたイメージを、文飾、比喩、暗喩、寓意として利用することで、あらたな物語をその土地に与えることもあります。本講座では、世阿弥伝書において名所・旧跡をどのようにとらえているのかを確認したうえで、名所・旧跡を舞台とする諸作品で、名歌・名句がどのような意図で用いられているのか解説していきます。謡十五徳(謡を知ることで得られること)のうち、「不行知名所(行かずして名所を知る)」を味わってみませんか。

◆Eコース  『吾妻鏡』を読むー鎌倉幕府と北条氏の歴史を探るー

時間 13:30~15:00(原則第4月曜日)
講師 川合康先生(大阪大学教授)

 本講座は、鎌倉幕府が編纂した『吾妻鏡』を読みながら、鎌倉幕府と北条氏の歴史を探ろうとするものです。『吾妻鏡』は、頼朝の挙兵から鎌倉時代中期までの幕府の事績をまとめた編年体の歴史書で、14世紀初頭までに成立したと推定されています。幕府に保管されていた記録類をはじめ、京都の貴族の日記や寺社の記録、『平家物語』などの軍記物も編纂材料にしており、鎌倉時代の政治や社会を知るうえで欠くことのできない重要史料です。この『吾妻鏡』を中心にして、他の一次史料を適宜参照しながら、源頼朝とともに鎌倉幕府を主導していった北条氏の権力の実態を検討していきたいと思います。

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※開講日・講師等は、都合により休講・変更となる場合があります。
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